LOVE THE CURRY VOL.85
じゅわっとふくよかに炊いたお揚げさんの味わいと
スパイシーなカレーがマッチする食堂の丼
修学院離宮前、比叡山の麓で長年愛されてきた食堂。品書きには鶏ガラで丁寧に出汁を取った中華そばや衣笠丼、にしん蕎麦など、昔ながらの「京名物」が並び、地元の常連客や修学院離宮を訪れる国内外の観光客の胃袋を満たす。「カレー丼」は、出汁で炊いたお揚げと九条ねぎに特製カレーを合わせたありそうでなかったオリジナル丼。大ぶりの短冊状に切られた分厚いお揚げは、噛むと出汁がじゅわっと染み出しホッとする味わい。用いるのは、「小林家」の味の決め手でもある2種類の出汁に、ざらめとみりんを煮詰め、濃口醤油と合わせて作る「もと出汁」を加えたやや甘めの専用出汁。足腰の強い旨みが溢れ出す、他にはない味わいにぐっとハートを掴まれる。3種類のカレー粉をブレンドして生み出すシャープな辛みと合わさって箸が止まらないおいしさ。修学院離宮内の水田から採れる「離宮米」を、ふっくら柔らかめに炊き上げた大粒のご飯とともに頬張って食べて。常連客の中には、お揚げをぐっと甘くした「甘ぎつねで」とリクエストするツウもいるとか。700円